Mageia について (1)
私の最推しディストロ、西洋の魔術師・Mageia (「マギア」) に関するいろいろです。
Mageia Linux (公式サイト) はフランス中心に開発されているLinuxディストリビューションです。元はかつて存在した Mandriva というディストロの派生で、このMandriva自体が古いRHELの派生でしたから Mageia もまた遠縁ながら RHEL / Fedora 系の流れを汲みます。
<目次>
基本情報
バージョン
- 安定版リリース: Mageia 8
- 開発版(不安定)リリース: Mageia Cauldron
パッケージマネージャ
RHEL 由来のディストロということでパッケージ .rpm を採用していて、パッケージマネージャは主にdnfです。urpmi/urpme/urpmq も存在しますが、個人的には使いやすさは dnf の方が上です。
注) yum は後方互換性のために用意されているのみで, 事実上 dnf そのものです。
デスクトップ環境
Live環境: *2
どのLiveセッションからインストールしても、そのDE以外に icewm がインストールされます。 インストール後は他にも様々なDEをリポジトリからインストール可能です。 いろいろなデスクトップを設定後のスクリーンショットが仏語版wikiに公開されているので写真だけでも雰囲気を味わってみると面白いかもしれません。
強み
当然ですが、よほど強い信条やこだわりをお持ちで無い限り有名ディストリビューションの方がおすすめです。明確にほかのディストロと比べて Mageia が勝る点というのはあげるのが難しいです。例えば Fedora ではリポジトリの設定が面倒な Oracle VirtualBox が簡単に導入できることであるとか、独自のGUIソフトウェアや壁紙、起動音などを用意している点であるとかも Ubuntu 系などを含めて考えれば井の中の蛙でしかありません。
Mageia は、おそらく大抵のLinuxユーザーが知らないようなディストロですが、開発の歴史は長いですし案外コミュニティも活発です。英語か仏語が分かれば個人的に最もカスタマイズが楽しいディストロだと思います。大抵のことは手軽に済み、大抵の設定も Mageia Control Centre からできます。もちろん、MX Linux や Manjaro に比べればあちこち粗も目立ちますし、完璧ではありませんが、見た目や便利なwikiがあるので困ることはあまりありません。正直一般受けはしないかもしれませんが、私はディストロホッピングしても必ずこのディストロに戻ってきているので「ハマる人にはハマる」ディストロだと思います。
補足
サポートについて
フランス語・英語ではかなり充実したサポートを受けられます。 公式ドキュメントは英語で書かれています。
追記 と思ったのですが、何と日本語版のドキュメントがありました。いままで全く気がつかなかった... インストールメディアとMCC(Mageia Control Center)については日本語版でドキュメントが用意されています。 https://www.mageia.org/ja/doc/
Wikiやフォーラムは主に英語・仏語で書かれていて、どちらも凡そ同じ内容になっています。
Mageia Linux Online はフランス語ですが、公式のものとは別に フォーラム や Wiki も用意しているので興味のある方は是非覗いてみてください。
また英語・仏語についてはIRCのチャンネルも存在するようです。
日本語ではそもそも公式のコミュニティーが存在しないため幅広いサポートを受けることは難しいですが、ディストリビューションの大部分が日本語化されていますし、日本語入力の設定も難しい訳ではないのでインストール自体は比較的スムーズです。一応Twitter上で私に訊いてくださっても構いませんが、Unix系に特段明るいわけではないのであまりお力になれないことが多いと思います。
他の Mandriva Linux 派生ディストロについて
Mandriva は '00 年代に人気を博したディストロで、Mandriva の開発元の企業は倒産・Mandrivaは開発が終了してしまいましたが、現在でもその系統のディストロが意外と活発に開発されています。
旧Mandriva派生のディストロとして主なものでは、
- Mageia (公式サイト(日本語))
- OpenMandriva Lx (公式サイト(英語))
- Rosa Linux
また、Mandriva の前身であった Mandrake の派生として、
が存在しています。
この中でOpenMandriva は Mageia と同じくフランス発、dnf を採用していますが、私の環境では1度も満足に動いたことがありません。恐らくなにかが間違っているのだと思うのでその問題が解決すれば記事を書くかも。 PCLinuxOSはアメリカ発の SysV init と apt-rpm を採用したディストロで、systemd と dnf / urpm を 採用する Mageia, OpenMandriva とは一線を画す存在です。個人的に好きなのでおそらくそのうち記事を書くと思います。
一応ロシア発の ALT Linux と ROSA Linux も Mandrake / Mandriva の派生という扱いらしいですが、きちんと試したことが無いためここでは言及するのみに留めておきます。